ジュール熱

物理

・金属に電流が流れるときに発生する熱

・パソコンやスマホを長い時間使うと熱くなる


電化製品のプラグをコンセントに差し込んで電気を流し続けると、発熱することはよく知られています。でも…どうして熱くなるのでしょうか。

たとえば、ヘアドライヤーを使う時のことを考えてみましょう。

ドライヤーの内部には、回転して空気を吸い込み送風するファンと、それにつながったモーターがあります。それから、ファンから出た風を温めるための、コイル状にぐるぐる巻かれた電熱線がセットされています。

eさんは、このドライヤーの電熱線の中に住む、自由電子のメンバーの1人。
電熱線の内部は、近代的な金属イオンのビルや商業施設が建ち並び、まるで未来の大都市のよう。
電熱線は金属なので、他にも自由電子がたくさんいて、彼らの乗った空飛ぶ車がビルの隙間を自在に走り抜けています。
eさんはここを電熱街と呼び、普段はビルの周りをひとりで散歩しながら楽しく暮らしています。

ところが、ある日のこと。突然ドライヤーのスイッチが入りました。
電圧がかかったその途端、街のいたるところから聞こえる衝撃音と悲鳴。
大勢の自由電子達が見えない力に引っ張られ、あちこちのビルに勢いよく衝突していきます。
「どうして…」しかし、eさんも電流とは逆の方向に引っ張られて、ビルに向かって加速。
そして衝突して跳ね返りますが、すぐに見えない力に引っ張られて加速、の繰り返し。

ドーン!ドーン!
自由電子達は金属イオンの建物に何度もぶつかります。

そのうちに、建物はグラグラと揺れ出して、あたりは炎に包まれ、異常な温度上昇を記録。
ぶつかった自由電子から失われた運動エネルギーが、熱エネルギーに変化したのです。

「誰か助けて…」eさんが叫んだその瞬間、願いが通じたのか急激に街の気温が下がり始めました。どうやら、一定の温度を超えると回路を遮断して保護の役割を果たすサーモスタットがはたらいたようです。「よかった…」

ジュール熱の発生量は、電圧と電流と時間に比例します。
自由電子がある一定の方向に引っ張られて電流が流れると、金属イオンに衝突してエネルギーを与えます。電流が大きくなって何度もたくさんぶつかるほど、それは大きなエネルギーとなり、そのエネルギーを受け取った金属イオンの熱運動が激しくなって温度が上昇します。

まとめ

導線の中の自由電子達が金属イオンに衝突を繰り返してグラグラ揺らすと、ジュール熱が発生するんだね。長時間の電流の流し過ぎには注意!

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