・回転させる能力
・うでの長さ × 力 で求められるよ
トイレのドアを回転させて開けるとき、ドアノブがどこに付いているのか思い出してみましょう。
ちょうつがいの付いている場所から離れたところに付いていませんか?
ドアを小さな力で軽く回転させるには、ドアノブの場所は重要ですよ。
たとえば…
ここは400年も続くモーメント王国です。
Rさんは少し前に魔物を倒した勇者なので、王に招待されて城にやってきました。
が、城の入口にある大きな片開きの扉の前には、武装した門番が立っています。

この扉を開けられるのは選ばれし者だけだ

一応、勇者なので大丈夫だと思いますけど

この扉は非常に重い。A、B、C の取手の中から最も簡単に扉を回転させることのできるものを選び、自力で扉を開けるのだ


よく見ると、Aの取手は鉄、Bは銀、 Cは金でできているようだ。
よく分からないが、とりあえず金にしてみるか…
Rさんは Cの取手に触り、力を込めて押したり引いたりしましたが、扉はピクリとも回転する気配がありません。
そのうち、ブブーという音とともに地面がパカっと割れて、Rさんは落とし穴の中に吸い込まれていってしまいました。

あーあ、みんな回転軸が右側なのに気付かないんだよねー
この城の扉は、右側をちょうつがいで留められています。
扉を真上から見てみましょう。

扉を回転させる能力が力のモーメントで、うでの長さ × 力で求められます。
いくら大きな力を加えても、うでの長さが短ければ扉は回りません。
ちなみに、加える力の向きも重要です。
下図のように、うでの長さと平行に力を加えても扉は回転しませんよね。
斜めに力を加えた場合は、うでの長さに垂直な成分だけが加えた力として扱われます。

力のモーメントを大きくするには、加える力を大きくするだけではダメ。
うでの長さも長くしないとね。
「回転させる能力 = 力のモーメント」だよ。