・溶液にどれだけ溶質が溶けているか
・溶質は、溶けている物質のこと
むかしむかし、どんなに小さくてもいいから子どもが欲しいと祈るおじいさんとおばあさんのもとに、背丈が6cmくらいの子どもが生まれました。

なんと小さい子だろう。
二寸法師と名付けよう。
ある日のこと、ニ寸法師は旅に出たいと言い出しました。

都へ行って働きたいのです。
旅の支度をさせてください。
おじいさんは、舟の代わりにお椀を、おばあさんは舟を漕ぐオールの代わりにお箸を、二寸法師にプレゼントしてくれました。

数年後。
二寸法師は、昔もらった思い出のお椀とお箸を持って、生まれ故郷の村に帰ってきました。おじいさんとおばあさんは大喜び。

都の一流料理店で修行してきました!何か食べたいものはない?

1% の塩分濃度の味噌汁が飲みたい

え…もっと凝った料理も作れるけど。でも、それがおじいさんの望みなら、いいよ。
〜二寸法師の計算〜
質量%濃度は、
溶質の質量g ÷ 溶液の質量g × 100 だから、
味噌汁の塩分濃度%を求めるには、
塩分量g ÷ 味噌汁の量g × 100 を計算すればよい
1杯の味噌汁に溶けている塩分量g を x、
1杯分の味噌汁の量を 200g とすると、
1 = x ÷ 200 × 100 で x = 2g となる。
家にある味噌は、
100g 当たりの食塩相当量が 10g なので、
味噌 1g あたりに含まれている塩は 0.1g
よって、必要な味噌の量は 2 ÷ 0.1 = 20g

1杯あたり 20g の味噌を入れればいいんだな!

二寸法師は分量をきっちり正確に測り、
極上の味噌汁を作ることができました。

こんなにうまい味噌汁は飲んだことがない

喜んでくれてよかった…。
ところで、おばあさんが作って欲しいものは?

1mol/Lの砂糖水

は? カブトムシじゃないんだから。でも、それがおばあさんの望みなら、いいよ。
〜二寸法師の計算〜
モル濃度mol/Lは、
溶質の物質量mol ÷ 溶液の体積L だから
1リットルの砂糖水の中に1モルの砂糖が
溶けているということ。
砂糖C12H22O11の分子量は342なので、
1モルで 342g となる

342gの砂糖に水を加えて溶かし、
1リットルにすれば出来上がり!
二寸法師は分量をきっちり正確に測り、
極上の砂糖水を作ることができました。


こんなに美味しい砂糖水は飲んだことがない…

そう…なんか複雑な気持ちだけど、
それなら良かった
その後、二寸法師は他の濃度を極めるために、再びお椀と箸を持って旅に出かけましたとさ。
濃度は、溶液に含まれる溶質の割合を表しているよ。
質量パーセント濃度%は、
溶質の質量g ÷ 溶液の質量g × 100
モル濃度mol/Lは、
溶質の物質量mol ÷溶液の体積L