ドップラー効果

ドップラー効果のアイキャッチ 物理

・音源が近づいてくるときには元の音より高く、遠ざかっていくときには低く聞こえる現象

ある暑い夏の日。キリギリスが陽気にバイオリンを鳴らしながら歌っていると、目の前をアリが通り過ぎていきました。トウモロコシの粒をせっせと巣穴へ運んでいます。

キリギリスがアリに尋ねる図
キリギリス
キリギリス

どうしてそんなに頑張って働いているの?

アリ
アリ

冬に備えて食べ物を蓄えているのさ。あなたもやっておいた方が良いのでは?

キリギリス
キリギリス

えー、食べ物ならそこら中にあるじゃない!ほら、歌って踊らなきゃ!

キリギリスは調子に乗って踊っているうちに、台から足を踏み外して激しく転倒してしまいました。

キリギリスが転倒した図
アリ
アリ

わー、救急車を呼ばなくちゃ!

しばらくすると、アリの耳に救急車のサイレンの音が聞こえてきました。ところが、救急車は小さなアリとキリギリスに気づかずに、猛スピードで横を通り過ぎて行ってしまいました。

救急車が走り去る図
アリ
アリ

サイレンの音、近づいてくるときには音が高く聞こえて、遠ざかるときには低く聞こえたよね

キリギリス
キリギリス

それ、ドップラー効果っていうんだよ。って、今そんなこと言ってる場合じゃ…

アリ
アリ

そのうち戻ってくるでしょ、あ、ほら。また音が聞こえてきた

キリギリスの耳にも救急車のサイレンの音が聞こえてきました。ところが、またも救急車は、小さなアリとキリギリスに気づかずに、さらに猛スピードで横を通り過ぎて行ってしまいました。

アリ
アリ

さっきよりも更に、サイレンが近づくときの音が高く聞こえて、遠ざかる音が低く聞こえたような気がする。どうして?

キリギリス
キリギリス

本来の音の高さと違って聞こえるほど、音源のスピードが速いってことだよ

アリ
アリ

救急車のスピードが音の高さに関係しているの?

キリギリス
キリギリス

音源の動く前方では、波長が、本来出している音よりも短くなっているんだよ。救急車のスピードが速いほど短くなる。そして、波長が短いほど、逆に振動数は大きくなるよ。振動数の大きな音は高く聞こえるのさ

ドップラー効果の説明図
アリ
アリ

音源の前方で短くなった波長の音を聞くと、高い音に聞こえるってことなんだね。じゃあ、遠ざかるときは、その反対?

キリギリス
キリギリス

そうだよ、音源の動く後方では、波長が、本来出している音よりも長くなっているから、低い音に聞こえるんだ

アリ
アリ

なるほどー。あ、救急車、今はあそこに停まってるみたい。走ってこっちに呼んでこようかな!

キリギリス
キリギリス

ちなみに、音源が止まっていて、観測者が動くときにもドップラー効果は起こる。例えば、電車に乗ってカンカン鳴っている踏切を通過するとき、音の高さが変わって聞こえるでしょ?

アリ
アリ

確かに。でも、音源が動いてなかったら波長は変わらないんじゃない? それなのにどうして音の高さが変わって聞こえるの?

キリギリス
キリギリス

簡単だよ。音源に近づいていくときには、停まっているときよりも、同じ時間でたくさんの波を受け取りに行くことになるから、音は高く聞こえることになる

アリ
アリ

そっか、振動数って、1秒あたりに聞こえる波の個数のことだもんね。
あれ?救急車いなくなっちゃった!

キリギリス
キリギリス

なんてこった…

まとめ

ドップラー効果とは、音源と観測者が近づいているときは元の音より高く、互いに遠ざかっているときは低く聞こえる現象のこと。運動によって振動数が変わって聞こえるのは音のドップラー効果だけど、光のドップラー効果もあるよ。

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