・分子や原子の熱運動が完全に停止する温度(絶対零度)を基準とする温度のこと
ここは、地元に最近できたばかりのK総合医療センター。
大きな病院で、施設・設備が充実し、診療体制も手厚いと評判です。
仕事帰りのCさんが、ゴホゴホ咳をしながら診察室に入ってきました。


先生、だるくて熱があるかもしれません…

では、体温を測ってみましょう。312ケルビンですね

え?何ですか、そのケルビンって…

絶対温度の単位。312Kと書いて312ケルビンと読みます

…それはいったい何℃?

その前に、状態変化と絶対温度について説明しましょう。ここは5階ですが、窓の外の地面をご覧ください

うわっ、同じような青い車が大量に停まってる!

Cさんが窓の外を見ると、広い駐車場に車がぎっしりと停められています。どの車も定位置から動きませんが、よく見ると車内にはそれぞれ人がいて、エンジンをかけたまま停車しているようです。

これが固体の状態です。車が原子や分子だと考えてくださいね。一定の場所に固定されながらも、それぞれがその場所で細かく振動しています

あっ、動き出しましたよ!


駐車場の中で車が互いに位置を変えていますね。これは液体の状態です

だんだんスピードが上がっていく!何台か、駐車場から出て行きました!


これが気体の状態です。車の運動はさらに激しくなって、ばらばらに遠くへ旅立ってしまいました

温度が上がると原子や分子の運動が激しくなって、温度が下がるとおとなしくなるのは知っていましたが…

では、温度が下がりきったとき、最終的に運動はどうなりますか?

だんだんゆっくりになっていって…最終的には止まる?

運動が完全に止まると考えられている温度が、絶対零度です。わたしたちが普段使っている摂氏温度だとー273℃で、これより低い温度はありません。


絶対温度は、この絶対零度を基準に考えられています。わたしたちが普段使っている摂氏温度℃と絶対温度Kの1目盛りの幅は同じなので、0℃は273Kですよ。

じゃあ、私の体温は312Kだから、
312ー273=39℃ですね

おや、話している間に313Kになってます。大丈夫ですか?

大丈夫じゃないです…
絶対温度は、分子や原子の熱運動が完全に停止する温度を基準にしているよ。単位はK(ケルビン)。絶対零度は約ー273℃で、これより低い温度はありません。絶対温度を知りたいときは、摂氏温度℃に273を足しましょう。